思い込み

いいことであれ、悪いことであれ、楽しいことであれ、辛いことであれ、どんなことでもそれは自分の思い込みなのです。自分の思い込み以外のことは起こらないし、それ以外はありません。

思い込みというと、独りよがりのようなニュアンスがありますが、 それは信じるということです。信じるという心の力は絶大で、信じたことはその人にとっての真実となってしまいます。

私たちの最初の思い込みは、全体であるものから分離することができるというものです。全体であるものとは、あらゆる一切合財であるのでそこから分離することは不可能ですが、そう思いこむことはできます。

その思い込みがすべてのスタートであり、それからあらゆる思い込みの連鎖が発生したのです。自分は全体からは離れた個別の存在という思い込みは、罪悪感や恐れ、怒りといった感情があるという思い込みを作ったのです。

思い込んだことを更に真実とするために、また別の思い込みを大量に生成してしまいます。この世界とは物理的な時空の世界だという思い込み、自分は人間として生まれ、生き、死ぬという思い込み。

自分は相手を攻撃できるし、傷つけることもできるという思い込み。自分は肉体であって、病気になったり怪我をしたり、苦悩することがあるという思い込み。

自分は相手から傷つけられる可能性があるという思い込み、人から嫌われたり見捨てられたりするという思い込み、自分は価値がないという思い込み。

このようにスタート地点のたった一つの思い込みからあらゆる思い込みを作り続けてきてしまったのです。しかし、どんなに固くそのことを信じているとしても、本当の実在、真実は別にあるのです。

思い込みはあくまでも思い込みでしかありません。本当の真実とはすべては一つという想念、これだけです。全体から分離するということは不可能です。

私たちの旅は、今まで勝手に思い込んできた様々な事柄をスタート地点にさかのぼっていくことで一つひとつ取りやめていくことなのです。

自分が何を思い込んで何を信じるかはとても重要です。なぜなら、真実でないことを思い込むことはできても、真実を変えることはできません。真実をそのまま受け入れることでしか、本当の自分を見い出すことはできないのです。

自分が当然のこととして信じてきてしまったことを全部白紙に戻すことにしませんか?それがただの思い込みに過ぎなかったとするのです。何も慌てることも焦ることもありません。

ゆっくりと真実とは何なのだろうと自分に問いかけることです。沢山の思い込みを手放すことで、おのずと答えを思い出すことができるのではないかと思います。