セラピストの仕事をするようになって、メインは催眠療法になるのかなと思いきや、意外にもヒーリングのセッションを数多くすることになったのです。
今でこそクライアントさんの数が減ってしまいましたが、以前は忙しいときは一日に4人のクライアントさんに連続でヒーリングをするということも結構あったのです。
もしかしたら二千回くらいは今までにヒーリングのセッションをしてきたかもしれません。それだけ繰り返してくると、何度も不思議な体験をしてきました。
最もオーソドックスなものは、クライアントさんが今までに体験した記憶が映像としてそのまま私の心に浮かんでくるというものです。
なぜだか分かりませんが、急に目の前にかなりリアルな映像が見えることがあります。それは特に取るに足りないような画像だったり、あるいはちょっとびっくりするような映像だったりと様々です。
残念ながらなぜそれが突然見えてくるのかということまでは分からないのですが、ごくたまに何となく気になる場合にはクライアントさんに聞いてみることもあります。
大抵は思い当たることがあると言っていただけるのですが、それがそのまま癒しにつながるようなことはほとんどありませんでした。
そうした映像は目をつぶっている時に心の目に映るような感覚なのですが、一度肉眼ではっきりと不思議なものを見たことがありました。
うつぶせになっているクライアントさんの背中の真ん中に、ギョロリとした人の目が見えたことがありました。それが何だったかはその後のクライアントさんとのセッションで判明しました。
自分の感覚ではこうした経験が特別なものであるようには思っていません。一般的に、私達は日常的にいろいろな経験をしているにもかかわらず、そのうちで自分が合理的に説明できるものだけを認識しているのです。
つまり、説明しづらい経験を無意識的になかったことにしてしまうような癖があるということです。今の仕事をするようになって、体感することは丸ごと全部受け入れようと明示的に思うようにしたのです。
その後からこうした不思議なことを自覚するようになったのです。自分がどんな経験をしてもそれを頭で解釈せずに全部受け入れると決意することで、今まで以上にいろいろな経験ができるはずです。
そしてそれこそが、すべてをあるがままに受け入れるということに繋がるのではないかと思っています。