比べることの苦悩

自分が27歳くらいの時の経験なのですが、最初の赤ちゃんが生まれたときに、大きなガラス張りの部屋に何人もの赤ちゃんが寝かせられていたのです。

その中に自分の赤ちゃんがいるはず。どれかな~と見ていて、きっとこの子に違いないと思った赤ちゃんがやっぱり自分の赤ちゃんだったのです。

このときに、もう自分の赤ちゃんと他人の赤ちゃんを比べてしまっている自分がいました。うちの子が一番いい子に違いないと。

そしてやっぱりあの子が自分の子かと分かった瞬間に、更に赤ちゃんの中で一人だけ輝いて見えるようにさえなりました。

単なる親ばかだけならいいのですが、そこに他の赤ちゃんと比べている意識が働いてしまうと、その目が今度は後々の子供の心にきっと突き刺さってしまうのです。

子供は自分が親から愛されていることを通常は分かっているものの、それが他の子供と比べてという条件付きであるとそれだけで傷ついてしまいます。

そして、その親の比べる目に応えようとして本来の無邪気な自分を捨ててしまうのです。なぜなら、比べられて駄目出しされたらこんなに惨めなことはないからです。

他の子と比較されていると心のどこかで察した子供は、今度は成長するにつれて自分のことを他の誰かと比べるようになってしまいます。

比べることで他より勝っていたら自分は価値がある、劣っていたら価値がないというような判断をすることが癖になってしまうのです。

そんなところに自分の価値があるというのでは、いつも恐怖と隣り合わせで生きているようなものです。自分という存在そのものが大切なのだという本来の存在価値が分からなくなってしまいます。

そこには恐怖ばかりがあって愛が見当たらないのです。このようにして、親の比べる目が子供の人生から愛を奪ってしまうことになるのです。

愛がない世界は殺伐としていつも恐怖を感じていなければなりません。その恐怖や不安を払拭するために頑張るというのが人生の目的にならざるを得なくなってしまいます。

どうか、赤ちゃんや幼いお子さんがいる親御さんは、その子そのものを見るだけにしてあげて下さい。けっして他の子供と比較したりせずに、愛してあげてください。

本当にその子のことが大切であれば、そうしてあげることがその子の人生を比較のない愛に溢れるものとすることになるのですから。

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