エゴの教え

エゴは毎分毎秒ごとにあなたの心を見張っています。あなたが本当のことに気づかないようにと目を光らせているのです。

エゴはずっと長い間命がけでそれだけをし続けていると言ってもいいのです。エゴが心配していることとは、何だと思いますか?

それは、あなたが自分の本当の姿に気がついてしまうこと、それを思い出してしまうことです。それだけは決してさせてはならないと監視し続けているのです。

そうならないように常にあなたに対して予防線を張っています。そのやり方とは、あなたに自分と誰かを比較させて喜んだり不安になったりさせること。

うかうかしていたら、誰かに傷つけられて痛い目に合わされるから、それを防ぐためにはこうしなければいけない、ああしなければならないとあなたを導くことです。

こうしたことばかりに気を取られているようにあなたを仕向けることができれば、決して本当のことに気づくはずがなくなるからです。

もしも万一あなたがそうしたことに翻弄されている隙をついて、自分が本当は何者なのだということに気づいてしまったとしたら、エゴは消滅する運命にあるのです。

なぜなら、エゴとは自分は他とは違う、全体から分離した存在なのだと思い込んでいる心の部分だからです。今あなたがこれが自分だと思っている意識とはそうしたエゴの心だといえます。

あなたはそれが自分だと思い込んでいるのですが、それが単なる思い込みであって本当は違ってたということが分かってしまったら、エゴはそのままではいられなくなる道理ですね。

他から分離している個体としての自分では、孤独で怖くて不安で、愛が欠乏しているという当然の結果としての境遇でいることになるのです。

それでもエゴはそうした世界でしか自分を存続できないために、この世界こそが本当の世界だということをあなたに教え続けているのです。

でももうそろそろ、エゴの教えの間違いに気づいて本当の自分を思い出す人が増えていくように思います。それは思いのほか、あっという間にこの世界に広がっていくのかもしれません。

エゴが導こうとして大声をあげているその隙間に、心の平安があることに気づいてそっと自分の奥深くを感じてみませんか?

何の努力も必要ないし、何かを達成しようとすることもないのです。ただ、自分をあるがままに見つめて受け入れることで、記憶は戻ってくるのだろうと思います。