人生は短いようで長いようで、生きていればいろいろな事がありますね。苦悩することがあれば、楽になることもあり、正に山あれば谷ありのようです。
険しい山を登っているときには、ヘトヘトになって自暴自棄になってしまうことだってあるかもしれません。でも人は、そうした苦しさを何とか乗り越えて先へと進んでいくのです。
ところが、ここで勘違いしてしまうことがよくあります。それは、苦しみを乗り越えたら幸せになれるとの思い込みです。
確かに今までドツボに嵌ってもがき苦しんでいた人が、やっと平坦な楽な道に出られたとすれば、そこが天国のように感じてしまうかもしれません。
それは当然のことです。しかし、先ほども言ったとおり、その平坦な安楽な道は、またいつのまにか崖になったり、谷底になったりするのです。
そうやって、苦悩と安楽(快楽)は延々と繰り返すことになるということです。もう一度言いますが、「苦しみを乗り越えても幸せはやってこない」ということです。
一時の休戦状態を平和がやってきたと勘違いしているに過ぎないのです。本当に、こうした苦悩と安楽の繰り返しから抜け出すためには、苦しみを乗り越えるのではなくて、それを止めることです。
苦しみを止めるとはどういうことでしょうか?実は、苦しみに限らず、平坦な道やもっと気持ちのいい道でさえ、それを止めるという気持ちにならなければ、繰り返しからは抜け出せません。
その繰り返しとは、自分が作っているストーリーなのです。そのストーリーが再生状態である限りは、苦悩もいつかやってきます。
再生状態において、ストップボタンを押す必要があるということです。そのことに気づかなければ、エンドレスのストーリーが続くだけです。
もしも、ストーリーをストップすることができたら、自分がそのストーリーの中の演技者ではなかったということに気づくことになります。
今この瞬間にそれをすることが誰にでもできるのです。本当の自己は、そのストーリーのプロデューサーとして、それを観照していたのだと気づくのです。
つづく