もがけば、もがくほど…

みなさんは、金縛りにあったことがありますか?あれは単なる体質の問題なのだろうと思うのですが、私は高校生の頃からひどく金縛りに遭うようになったのです。

不規則な生活をしていると、どうもやってくるようですね。高校生になってから、ラジオの深夜番組を明け方まで聞いていたりするようになったのが、原因だと思っています。

そして、酷い時には、一晩中金縛りに苦しみ続けるということもありました。一度、金縛りになってしまうと、そこから抜け出そうとして全力でもがくのです。

勿論、いくらもがいたところで身体は少しも動かすことができなくて、本当にしんどいわけですね。悪くすると、誰かがやってくるような気がしたり、何か得体の知れない存在が近くに来るような錯覚まで起きるのです。

だから、本当に怖くてそれで必死になってもがいてしまうというわけです。唐突に目が醒めて、何かゼイゼイしているような感じで、疲れ果ててしまうのです。

ところが、大人になってからは、慣れたせいもあるのでしょうけれど、次第にもがくことが減ってきたのです。ああ、またなってしまったな、と冷静に考えることができるようになったのです。

自分の力では、もうどうすることもできないということが分かるので、金縛りが解けるのをただ待つようになったのです。もがかなくなったおかげで、ずいぶんと楽になりましたね。

そうこうしている間に、自動的に解けて(目覚めて)、ああ自由になれたとなるのです。で、ふと思ったのですが、この現実の世界で生きるということも、何かそれと同じようなものではないのかと…。

私たちは、問題が起きれば、その現実の苦しみから何とかして抜けようともがくのです。そして、もがけばもがくほど、悪循環にはまってしまい、クタクタになってしまうのです。

何とかして…、という気持ちを見つめ、人生と闘うことをやめること、もがけばもがくほど人生は肘鉄をくらわしてくるということに気づくことです。

そして、どんな問題も所詮は一過性のものであることを思い出し、解けて(目覚めて)いくことをただ待つことです。そうすれば、最短で問題は消失して、自由の身になれるということです。