死んだら目が醒める?

私は子供の頃から、死んだらどうなるんだろう?ということをよく考えていました。子供らしくない子供と思われがちですが、子供は大抵そんなことを人知れず考えているものですね。

で、ある時から、死んだらきっと目が醒めるんだろうと漠然と思うようになっていました。子供の頃によく高熱を出していたのですが、うなされながらも汗をかきながら寝て起きたときに、親が見ていてくれたという印象があるのです。

「目が醒めた?よく寝ていたね。もう大丈夫だよ!」と言われたような気がするのです。その嬉しい安心感と何か同類のことが死んだら起きるような気がしていたのです。

「すごくうなされていたようだけど、もう夢から醒めたのだから、お前は大丈夫だよ」そんなことを言ってもらえるような気がするのです。

だからといって、この世界が丸ごと夢だとは言いませんが、何となくそんなニュアンスになるのではないかという感じがどうしてもしています。

そして、最近ではそれがある種の確信のようなものになってきたように思うのです。死んだら正気に戻るというのか、人格を持った個人だという自己像が一瞬のうちに死んだら崩壊するのです。

そうやって、誰もが例外なく本来の自分の姿へと戻っていくということです。肉体が死ぬ前に覚醒してそれを体験してしまう人もいるでしょうし、そうでなくても死ねば真の自己を思い出すということです。

輪廻しているように見えるのは、肉体が滅びた人たちのマインド(記憶の束)が拡散していく結果でしかありません。だから、もしもあなたが何らかの過去世を思い出すなら、それはあなたが受け継いだ誰かの記憶なのです。

あなたの魂が肉体から肉体へと移っていくということではありません。魂という微妙な表現があるのは、エゴが苦し紛れに作った想像上の自己としか、言いようがありません。

死ぬ前に覚醒するか、死んで覚醒するか、どちらでもいいということですが、どうせ覚醒するなら早めに覚醒して、少しでも苦しみを短くしたいと思うのは、当然かもしれませんね。