社会的マインドと反社会的マインド

今朝、バスタブに浸かってのんびりしているときに、ふとあることを思い出していたのですが、それは子供の頃に今思えば小さな湯船に水を張ってもらって、そこで独り遊びをしていたことです。

これまた小さな浮き輪を浴槽に浮かべて、その中に腰を入れ込んで浮かんでいたのです。本人は、まるで大海原の中をイカダか何かで漂流している気分。誰もいない自分独りだけの別世界。

その頃の自分にとっては、格別の時間だったのだなと思うのです。友達と時間を忘れて遊ぶことも多かったのですが、その一方では独りの時間をこよなく楽しむ自分もいたということです。

このような二面性は大人になっても残っていたと思います。社会の中でうまくやっていかなければというやや野心的な自分と、そんなことには興味がないという反社会的な自分。

こうした分裂を抱えて生きてきたために、何をやっても中途半端な人生になってしまったなという後悔のようなものもあるのですが、ようやくここ数年の間にそうした分裂が小さくなってきたのです。

社会的なマインドと反社会的なマインドの両方が小さくなって、今一番自分の中で大きくなってきたのは、そのどちらでもない部分なのです。

結局、社会の中にいて社会に迎合するでもなく、同時にけっして社会に背を向けるでもない、そうした生き方ができるようになってきたのかなと。

水の中にあってけっして水に濡れることのないハスのような生き方ができればいい、それをブッダは中道と呼んだのですね。