思考にはいろいろ特徴があるのですが、たとえば物事を「分類」「グループ化」、「仕分け」するという得意技があります。
どんな事柄でも、すぐにそれはいいこと、悪いこと、正しいこと、間違っていること、このように分類してしまうのです。
こうすることで、思考は無数に起きている出来事や現象などをより把握しやすくしているのと同時に、それが防衛に著しく寄与しているのです。
なぜなら、自分がいい人であったり、正しいことをする人であると考えるなら、他者からの否定を受けずに済むと思えるからです。
そうなると、自分を含めたこの世界全体を二つに色分けして、その部分だけをきわ立てる色メガネで見ることになってしまうのです。
これはあるがままを見るという自然な生き方と正反対の生き方になってしまうのです。人生を十分に楽しむことが難しくなるでしょうね。
なぜなら、悪い人、間違っている人に分類されないように、常に気をつけながら生きなければならないからです。
もちろん他者のこともその色眼鏡というフィルター越しにしか見れなくなるのですから、一過性の安心を得ると同時に気楽さを失ってしまうのです。
思考のこのような傾向を見抜いてあげることで、思考がそれをやろうとしている時に気づくことができるようになるはずです。
何であれ思考とは別に、すべてはただ在るように在るだけなのです。このことへの深い理解が、自然と防衛を小さくしてくれるはずですね。