無と無の狭間に…

私たちの誰もが例外なく、無からやって来て、そしてまた無へと戻っていく。人間の生はその間に位置する、たかだか80年くらいの夢のようなもの。

無という無限と比べたら、(本当は比べようもないのだけれど…)塵ほどのものでもないくらいに儚いものです。

そういうスケールですべてを眺めて見ると、日々の不安とか苦悩、あるいは憤りとか、どれほど陳腐で取るに足りないものかが分かります。

とは言うものの、そうしたマインドのトリックに飲み込まれてしまったなら、しばらくはジタバタするしかありません。

ここでの話しなど単なる理想論だと思えてくるのですから。それでも少し雑念の波が去ったときには、すべては一過性のものだということを思い出すことです。

どんなことであれ、いつかは終わりを迎えるということ。果てしなく長く続くように見えたとしても、終わってみれば一瞬だったと分かるのです。

そして、マインドが静かになったときには、必ず生の中でも無が立ち込めているということに気づくかもしれません。

生は無と無の狭間ではあるけれど、背景として常に無があるのです。そしてそれだけが実在なのですね。