人を羨む必要はない

「天は二物を与えず」ということわざがありますが、人によっては二物も三物も与えられているようなとても羨ましい人もいますね。

本当に神様ってずるい!不公平過ぎるだろうというわけです。けれどもここで冷静になって思い出して欲しいことがあるのです。

それは自我として生きている限り、決して満たされることはないという事実です。一時的な満足であればいくらでもあり得るのですが、それはすぐに何処かへ行ってしまいます。

何を得たとしても例外はありません。見るからに幸せそうと感じさせる人がたくさんいますが、そういう人の場合も同じです。

なぜ他人のことなのにそんなことが断言できるかというと、マインドの仕組みを深く理解しているからです。

マインドというのは、後天的に親(社会の代表者)によって組み込まれた人間クラブの会員になるためのルールのようなもの。

だから自我にとって社会の中で生きるためには、マインドはなくてはならない道具なのですが、残念ながら分裂という闇を抱えているのです。

このことを理解していれば、自分と比べてあまりにも恵まれていかにも幸福の絶頂の中にいるように見える人でも、さほど羨ましく感じることはなくなるのです。

もう他人の人生を見て、自分の人生を恨む必要はなくなります。私が唯一羨ましいと感じるのは、すでに自我を落としてしまった人。

ただしその人の中には、もう誰もいないので羨ましがる相手も不在になってしまっているのですけどね。