私は頻繁に「マインド」という言葉を使いますが、気をつけなければいけないのはあたかもマインドというものが在るかのような錯覚を与えかねないということです。
マインドは実在するものでは全くありません。肉体の中に心臓などの臓器が実在するのとは違うのです。
実在しないのですが、仕組みや働きとしてあたかも存在するように感じるだけです。言うなれば思考のプロセスです。
どんなプロセスかというと、欲望するというプロセス、あるいは防衛するというプロセスと考えればいいのです。
なかなかあり得ないことですが、もしもあなたがあらゆる欲望をなくしてしまったとしたら、欲望するプロセスが停止してしまうので、マインドも消えます。
同様にして、あなたが無邪気になって防衛することをやめてしまったとしたら、防衛するプロセスが停止してしまい、マインドも消え失せるでしょう。
つまりはあなたに今もマインドがあると感じるなら、欲望し続けているか、防衛し続けていると思えばいいのです。
マインドというプロセスが停止してしまった後に残るもの、それこそが本当のあなたの姿ということになります。それは純粋な目覚めた意識なのですね。