私たちが生きる社会とは戦場です。この社会の中で立派に戦って結果を残したいと思っているのです。時代背景もあって、特に男性の場合はそれが強いのです。
もちろん今はもう男女の差はなくなり、誰もが社会で活躍したいと願っています。他の言い方をすれば、私たちは「誰か」になりたいのです。
ところがその中の一定数の人たちは、社会で頭角を顕すことに興味がなく、目には見えない精神性の方に意識が向くのです。
彼らは下世話な社会などは欲の塊だとばかりに否定して、もっと高尚なことへと探求の矛先が向けられるわけです。
けれども求めていることにはどんな違いもありません。それが物質的なものであれ、非物質的なものであれまるで同じなのです。
その探求者が頑張れば頑張るほど、求めているものは遠ざかることになるのです。なぜなら、力を増した探求者が一番の邪魔者だからです。
探求者がいなくなった時、つまり求めることから解放されたときに、求めていたものがやってくるのです。なんとも皮肉なものですね。
早く寝なければと焦れば焦るほど寝付けないのですが、それを忘れてしまったときに自動的に眠りへと入っていけるのに似ています。
欲しがり屋さんのパワーを鎮めるのに一番効果があるのは、彼をずっと見守っていてあげることです。
彼と戦ってしまったり、彼に飲み込まれてしまえばそのパワーはずっと強いままとなってしまうことを知っておくといいですね。