「池の水を全部抜く」ごとく

事務所の近くに井の頭公園という、比較的大きな公園があるのですが、何年か前にそこの池の水を全部抜くという、大きなイベントがあったのです。

その目的はよく知りませんが、スッポンが生息していたり、結構意外な生き物が見つかったと聞いています。

それと、まったく褒められたことではないのですが、たくさんの自転車やその他の大きな金物も捨てられていたことが判明しました。

池の水の中というのは、外側からは見えないですから、それをいいことにゴミ箱のように邪魔なものを放り込んでしまうのです。

これって都合の悪いことを意識下へ隠してしまう、私たちのマインドの機能ととても似ているように感じてしまいます。

池の水は抜いてしまえば、そこに内包されていた全てが白日の元に晒されることになるのですが、マインドの場合はそう簡単にはいきません。

目に見えるものでもないし、まったくプライベートな領域のことなので、他人がそこに手を入れることはできません。

けれども、それを粛々と進めていくのが癒しなのです。癒しというのは、不都合なために隠してきた感情や思いの記憶、こうしたものに光を当てること。

そのことで不自由な生き方を自分に強いてしまった人生を、元に戻すことができるようになるのですね。