静寂はなくならない

普段の生活の中で芸術に触れる機会がほとんどないのですが、音楽だけはいつも何処かで流れているし、意識的にも無意識的にも聴いているのです。

一つの曲が始まる前には静寂がありますね。そして曲がスタートし、そこで色々なことが起きつつ、最後はその曲が終わってまた静寂に戻るのです。

長い曲や短い曲。穏やかな曲や激しい曲。色々ですが、どんな曲であろうとこの手順に違いはありません。

いつも根っこにあるのは静寂なのです。だから静寂だけが不変だとも言えますね。これって私たちの人生とも通じるものがあります。

生まれる前には静寂があり、生まれてから様々なことが起きて、紆余曲折があって最後は死んでまた静寂に戻るのです。

静寂と静寂の間のつかの間の出来事、それが人生というものです。私たちにとっては人生がメインですが、本質的な観点で見れば静寂の方が圧倒的にメインかも知れません。

その静寂を、人生というプロセスの中においても意識できると、静寂という永遠の観点から人生を見ることができるのです。

それは人生の主役の座から、それを見守る側へとシフトすることを意味します。一瞬のプロセスよりも永遠の方が、より本質的な感じがしませんか?