放っておくとは、何もしないこと

私たち人間にとって、「何もしない」ということほど難しいことはありません。ところが、本当にはそのことに気づいていないのです。

特に多忙でいつも動き回っている人などは、何もしない時間が取れたらどれほどいいだろうと思っていたりします。

けれども、いざそんな暇な時間がやってきてしまったら、今度はこの時間をどう過ごそうかと思うようになるのです。

つまり、とにかく何かをしていなければいられないのが人間なのですね。それを別の言葉で表現するなら、何かを握りしめているということ。

より具体的に言うなら、いつも正しい考えをしなければいけないとか、感情は抑圧したほうがいいとか、義務と責任を果たすべき等々。

そうやって絶えず何らかの操作をしようとしてしまうのです。執着を手放しましょうというのも、手放すという行為をするのです。

それに対して、放っておくというのは文字通りそのままにしておく。脇に置いて、何もせずにおくということ。

もしもこれが本当にできるようになるなら、私たちはより自然体でいられるようになるのです。そして問題も自ずと消えていくことになるのですね。