委ねる心

委ねることと依存することは、一見似ているように思えます。どちらも自分の力で何かを成し遂げようとしないからですね。自分が頑張って、独力で目的を達成しようとするのが自立であり、独立心です。

依存は、自分以外の誰かをコントロールして、自分のために一役かってもらおうとすることです。相手をコントロールしようとしているため、相手を心のそこから信頼することができなくなります。

したがって、依存している心は常に不安や心配を抱えていると言えます。相手が自分の期待通りに動いてくれなくなったらどうしようとビクビクしているのです。

一方、委ねる心には不安や心配は微塵もありません。なぜなら、委ねる心というのは相手のことや自分の外側に起こることをまったくコントロールしようとはしていないからです。

相手のことを信頼して、起きることを受け入れるという心の状態にならないと委ねることは難しくなります。

よく運を天に任すと言ったり、人事を尽くして天命を待つなどのように、委ねる心には天とか神と言ったようなものが表現として使われることが多いですね。

しかし、委ねるということは必ずしも神やそういった人を超えた特別な存在を意識する必要はありません。自分の周りにいる人や、起きること、その他あらゆることに対して委ねる心になることができます。

委ねる心には、ある程度の無防備さというものも必要になります。無防備でないと、自分を相手に託すということが難しくなるからです。

逆に依存の心は、必ず自己防衛がベースにあるのです。自分や自分の大切な人などを守りたくて必死になっている間は、決して委ねる心になることはできません。

このように、いつも委ねる心と依存の心とは正反対の状態を意味していると言うことがいえると思います。どちらの心が平安で満たされた気持ちにより近いかは、考えるまでもなく明らかですね。

どちらを選択するのか、それによって人生は大きく違ってくるはずです。

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