内面をじっと感じていると、失望が横たわっているのを感じることができます。それもずっと前からそれはありました。
けれどもそれを包み隠して分からないようにするために、新しい希望や欲望が表面に集結しているのです。どちらが先かといえば、きっと希望や期待が先に来たのでしょう。
失望や絶望というのは、元々希望や期待がなければ存在しないのですから。それはひとつのコインの表と裏の関係と同じ。
いつも一対となって存在しているのです。面白いのは、希望や期待はそれが叶えられなかったときにのみ失望すると錯覚していることです。
実のところ、どんな希望や期待が成就しようと同じように失望はやってきてしまいます。なぜなら、成就とともに「望」みは「失」われるからですね。それが文字通り失望です。
成就してしまったものを望むことは不可能だからです。望みとは未来に向けて手に入れようとすることそのものだからです。
だからお金持ちは貧乏人よりも失望しているし、既婚者は未婚者よりも失望しているのです。この希望と失望のループに気づいた人は、新たな希望をしなくなっていくものです。
そうすれば、もう失望がやってくる可能性はなくなるからですね。それはとても大切な気付きの一つなのです。
そしてどんな望みもなく、その結果として失望も消えていったとき、過去と未来も同時に消えて今あるがままの実在と一つになるのです。