結婚して子供が生まれると、若い両親は大なり小なり子供にこうなって欲しいというような思いをもつようになります。
そして親によっては、明示的に躾けをする場合もあるでしょうし、逆にあまり明らかな躾けを意識しない親もいると思います。
私はどちらかと言うと後者に属する親に育てられたと思いますし、私自身が親になったときにも同じようにあまり躾けを意識したことはありませんでした。
そのように明らかな躾けをされない場合でも、子供は親から多大な影響を受けるものです。それは誰もが知っていることですね。
私なりの解釈では、親の潜在意識の中身がそのまま子供の潜在意識の中に入り込むのだろうと思うのです。だから明示的な躾けがなくても深く影響されるのです。
親自身も気づいていない心の深い部分が、知らず知らずのうちに子供の心の奥まで影響してしまうということです。
したがって、親がこれは伝えたくないと思っていたとしても、それは気が付くと子供の心に入り込むことになるということです。
こうしたことは、何も親子の間だけではなくて人と人が何らかの関係を持つときには必ず起きることだと言えるのです。
つまり、人は生きているだけで周りにいる自分以外の人達に心の中の信念や思いなどを伝えてしまっているということです。
明示的に伝える場合も勿論のこと、そうでなくても伝播していくのです。簡単に言うと、自分の心の内側にあるものは、外へと広がっていくということです。
それは残念ながら肯定的なことだろうが否定的なことだろうが違いはありません。したがって、苦しんでいる人はその苦しみを外側へ伝播させてしまうことになります。
愛に溢れた心は周囲の人の心に愛の気持ちを起こさせることになるということです。気づかぬうちに、人は誰もが教師になっているということです。
どうせ教えて伝えてしまうことになるのなら、なるべく誰もが幸せになるようなことが自分から発信されるようにしたいものですね。