一人では味わえない満足感

会社員の頃に、まだ職場で誰も手を出したことがないコンピューター関連の仕事を任されて、自信もなくて辛かったのですが、最後まで自分一人でやりたいと言い張っていたことがありました。

上司は、仕事がスケジュール通り完成しなければ、会社レベルの問題にもなってしまうために、とても心配だったようなのですが、私はというととにかく独りでやり遂げたいという思いだけがあったのです。

結局は成し遂げることができたし、そのことで自信を勝ち取ることもできたはずですが、それは思ったほどの満足感を得ることはできませんでした。

それでも、誰の力も借りずに自分一人の努力と能力によって一つの仕事を成し得たということは若いその頃の自分にとっては大きかったと思います。

確かそれは結婚する前だったと思うので、30年も前のことです。今となっては、まったく逆に自分一人では何も成し得ないということが分かるようになりました。

自分一人でできることは本当にたかが知れています。でも誰かと一緒だと、それが一人だろうと何人だろうと人数に関係なくとても大きな満足感を得ることができるのです。

自分には誰でもいいから、最低でも誰か一人が必要ということがとてもよく分かってしまったのです。自分以外の誰かと分かち合うことのすばらしさを経験してしまうと、どんなに一人で何かを成し遂げたとしてもそんな満足など足元にも及ばない幸せがやってくるです。

その満足感というのは、決して一人では味わえないものです。私たちは一人ひとりの力というのは、とても小さなものであると言わざるを得ないのですが、二人以上が分かち合うとたちまちものすごいことになるのです。

これは単に力を合わせるということとは違って、二人以上の人が心を一つにすることで神からの賜物である本当の力を使うことができるということですね。

周りにいてくれるみんなはすばらしい存在だということです。そして、そのみんなと分かち合うことで、とてつもないパワーを使うことができる自分もみんなと同じようにすばらしいということです。

みんなに対する感謝の気持ちを絶えず感じ続けることになってしまいます。こうして言葉で表現すると、どことなく違和感もあるのですが、とにかく誰もがすばらしい存在だと言いたいのです。

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