他人のことっていろいろ目に付くものですが、逆に自分のことってなかなか分からないものですね。自分のことを集中的に見つめて気づこうとしてもうまく行かないことが多いです。
それは、自分にとって気づきたくない部分というものを自分に対して隠そうとする無意識の力が働いているからです。それは抑圧と呼ばれるような強くて深いものから、わりと浅いものまであります。
こういったことは、実は自分が自分をどう思っているかということに対して言えるだけではなくて、他人が自分をどう思っているかということにも当てはまるのです。
ここが今日のポイントです。私たちは、自分をどう思うかということと同じように、相手が自分のことをどう思っているかということも心の中に持っていますね。
そしてここにも、気づきたくない都合の悪い、相手から見た自分の像があって、それを隠そうとする力というものが働いているのです。
勿論、あの人は自分のことをよく思ってないに違いないとか、嫌われてる感じがする、という具合に一見都合の悪いようなことでも隠すことなく感じることもあります。
しかしそれは表面的に都合の悪いということであって、それとは違うもっと深いレベルで都合の悪いことというのがあって、それは隠されてしまう場合があるのです。
例えば、少し込み入った話になりますが、自分の本心は相手のことが好きなんだけど、その人が自分を嫌ってくれたら諦めることができると思っているとします。
そうすると、本当は相手は自分のことを好きだと思っているということがあったとしても、そのことが自分にとっては都合が悪いことになってしまうので、そんなはずはないと否定するのです。
このような自分の本心というものを、私たちは毎日隠しながら生きているといっても過言ではありません。少しでもそうした本音を知りたいとは思いませんか?
そのようにして隠された自分の本音を暴き出す一番いい方法は、自分が相手に対して質問したらどう答えてくれるだろうかという問答を自分一人でやってみることです。
思いつく限りの様々な質問をしてみて、それに相手だったらきっとこう答えるはずという具合に答えを出していくのです。
そうすると、以外な答えが出てくることにびっくりすることがあるはずです。相手はこう答えてくるだろうという類推の中に、自分の本音が隠されているからです。
もしも、興味があったら試してみてください。そして、自分一人でやるのはどうも、という場合はセラピストのところで一緒にやってみるとより効果的だと思います。