ルーツ

誰にとっても自分のルーツというのはとても大事なものであるようです。それはそもそも自分は誰から生まれたのか、そしてどんなところで生まれ育ったのかというようなことです。

生まれてからずっと変わらずに両親と一緒に暮らしている場合や、生まれた場所でそのまま生活を続けている人にとっては、このことは気づきにくいことかもしれません。

でも、生まれ故郷を後にして都会や海外に出て生活している人もいますし、結婚などで両親とは別れて暮らしている人の方が多いかもしれませんね。

自分が戻る場所というのか、そういったものがあるというのは何だかホッとすることができるような気もします。

私が生まれ育った家は川のそばに建っていたのですが、その川幅を広げる工事のために自分が中学生のときに強制立ち退きさせられました。

ですから今その場所に戻っても、家もなければその跡すらなく川になってしまいましたので、少し寂しい感じがしますね。

中学生のうちに今の家に引っ越したのですが、その後に高校生だったころ、夢の中でその高校から引っ越す前の家に戻ろうとして道が分からなくなったことがありました。勿論高校から生まれた場所に戻ったことはなかったので、当然なのですが。

表面的には生まれた家のことなど普段全く思い出すこともなかったのですが、そうやって夢の中では当たり前のように出てくると言うことは、心の中に強くその家への思いが残っていたということですね。

人がルーツにこだわりを持っているのは、自分が何者なのかという問いに対する答えをずっと捜し求めているからなのではないかと思うようになりました。

誰もが持っている心の奥にある本当の自己、それに気づくことが出来たら、それこそ本当のルーツ、真の源のことを思い出すことができるように思います。

その時に、きっと今まで一度も感じたことのない深い平安な心に戻ることができるような気がしています。そして、そのルーツはきっとすべての人に共通のものであると感じています。