感謝の気持ち

本当に大変な災害になってしまいました。被災地のみなさんができる限り早く心の平安を取り戻せるように祈るばかりです。

私が小学生の頃に、友達が、「天災は忘れたころにやってくるというから、僕は絶対に忘れないんだ!」と言っていたのを思い出しました。

その頃の自分はもう少しクールだったので、それは忘れなければ天災は起きないということではないのに、と言いたかったのですが彼の瞳があまりにも真っ直ぐだったので言葉を飲み込みました。

今になってそのことを考えると、あながち間違いでもないのかもしれないと思うのです。それは、被災したときに水のありがたさ、電気のありがたさ、寝る場所のありがたさ、そして人の愛のありがたさなどを思い出すことができるからです。

つまり、そうしたものすべてが自分が生き続けることを支えてくれているのだということを、忘れたころにそのことを思い出すために天災がやってくると思えるということです。

普段、友達というのはそこにいて当たり前だし、別に話し相手になってくれてありがとうとも考えたことがなかったのですが、高校の修学旅行で具合が悪くなったときに、夜通し看病してくれた男友達がいました。

そのときにはさすがにありがとうという思いが出てきたのを覚えています。いつもは何とも感じない友達への思いの中に、そうしたものが本当はあったんだなと自覚したことがありました。

でもすぐにそんなことは忘れてしまって、つまり喉もと過ぎれば…という都合のいい生き方は変わらなかったですね。

長い間感謝の気持ちとは縁がなかった自分ですが、ようやくこの頃になってそうしたことが分かるようになってきたというのが本当のところです。