気分の浮き沈み

人は誰でも、何か嬉しいことがあれば機嫌が良くなるし、嫌なことが起きれば機嫌がわるくなるものですね。それは当然のことです。

私などは、一日のうちで何度も機嫌が上がったり下がったりを繰り返していると思います。上下の幅はそれほどではないにしても。

それでも、何か明確な理由が分かっている時には、自分てなんて単純な奴なんだろうと思うだけで済みますが、どうも理由がはっきりしないばあいもあります。

気分が良くなったり悪くなったりが何の予兆もなしに、突然やってくるという経験をみなさんはしたことがありますか?

きっと多くの人があるはずです。朝起きただけで気分が悪いとか、外は猛暑なのに、何だかふと機嫌がよくなったとか。

自分の気持ちに意識を常に向けつづけていると、どうやらこうしたはっきりした理由もなしに気分の変化がやってくることの方が多いことに気づかされます。

これは、自分の心というものが過去に生きているからに違いありません。表面意識では、今を体験しているという自覚があるものの、誰の深層においても過去を見ているのです。

そのために、自分の心がその瞬間本当は何に対して反応しているのかに、まったく気づくことができないのです。

わたしたちの心の中には、無数の過去の体験からやってくる無数の想いや感情が蓄積されて、それがふとしたときに表面に上がってくることがあり、それによって気分の上下を感じているのです。

せっかく奥の方からやってきた大切な自分の気持ちですから、それを気のせいなどと言わずに、しっかりと感じ切ってあげることです。

そうした実践を続けることで、ますます気づいて欲しい自分の本音が上がってきてくれるようになり、いずれは自然と気分の上下の少ないどっしりとした落ち着きを得るようになるはずです。