本当の自分はこの宇宙に満ち満ちている

この自分とは一体何なのだろう?ということをとことん追求していったとき、この質問をしている自己の存在があやふやになったのです。

そのうちに、自分には位置がないということも、ナニモノでもないということにも気づいたと同時に、自己がバ~ンと広がったのです。

けれども、その感覚に特別驚くことがなかったのは、それが自分にとっては昔から馴染んだ感覚だと知っていたからでした。

私には、子供の頃から変なクセがあって、とにかくじっとしていたいというのがあって、身体を動かさないでいるということを時々やっていました。

子供というのは、とにかく変てこなことをやるものなので、誰かにそれを指摘されたことはほとんどなかったのですが、母親だけが知っていました。

そのじ~っとしていることは、実は身体を動かさないことによって思考が静かになるという効果があって、それを好きでやっていたということなのだと今なら分かります。

そのときに、自己が広がる感覚というのを体験していたんだと思うのです。そしてそれは、この今という瞬間に耳を澄ますという感覚にとても近いものです。

この数年の間に、その広がった感覚はもう消えることがなくなりました。自分が遍在しているという感覚は、本当は誰にでもあるのです。

人としての自分は70億分の一の存在に過ぎないのですが、同時に本質の自己は唯一であって、この宇宙のどこにでも満ち満ちているということですね。