私はかつて、自分の悪い習慣である「ダメだね!」という言葉を二度と使わないようにしようと決意したことがあるのですが、驚くなかれ決意して数分後にはその言葉を吐いていました。
人は何度も何度も同じことを繰り返してしまうのです。たとえば、もう二度と怒るのはやめようと決意しても、また何かの事情があれば怒ってしまうのです。
誰かに否定的なことを言われても、そんな言葉は聞き流して気にしないようにしようと思っても、またすぐに気が付くと誰かの言葉に反応している自分がいたりします。
大切な人に対して、相手が傷つく様な態度をとったり、相手が悲しむような言葉を吐くことを絶対にやめようと思っても、喧嘩などをしたときには、また憎まれ口を叩いてしまうのです。
こうした同じことの繰り返しをやめるということは、本当に難しいし、結局意思の力ではどうにもやめることなどできないということなのです。
あなたにも心当たりがあるのではないでしょうか?そんな時、なんて自分は情けない奴なんだろうと思って、意思が弱い自分のことを否定したりするはずですね。
でも心配はいりません。こうしたことは、マインドの特性なのです。つまり、マインドを持っている私たちの誰にも共通する特徴なのだということです。
だから、そこのところをあまり否定的に捉える必要はありません。そもそもやり方が間違っていただけだと気づくことです。こうした直接的なやり方、ダイレクトに自分を修正しようとすること自体がエゴそのものなのです。
実は誰にでもできる素晴らしい方法が一つだけあります。それは、間接的な方法です。つまり、「○○な自分をやめよう」という思考の代わりに、それをただ(無思考で)受け止めることです。
思考を使わなければ、マインドの外へ出ることができるのです。そこには、エゴの出番がないわけです。意思の力を使わないこの方法を繰り返すことで、問題はひとりでに溶解していくことになるのです。