みなさんは、インナーチャイルドと聞いて、誰だか知らないけれどそれらしい言葉をよくぞ作ったものだと思うかもしれませんね。内なる子供がいかにも実在するかのような感覚になる響きを持った言葉なので。
けれども、それは比喩に違いないと思っているはずですね。大人になった人間の心の中に、子供が棲んでいるわけはないのですから。
とろこがです。数限りないセラピーを通じて分かったことは、インナーチャイルドは実在するということです。勿論、肉体を持っているわけではありませんが…。
思考や感情を伴った、記憶システムの中にしっかりと居残っているのです。そして、上手に隠されてはいるものの、何かの拍子に表面化したりするのです。
催眠療法の中では、場合によってインナーチャイルドはあたかも、ここにいるかのように、言葉や態度として現れてくれます。それはもう凄まじいものです。
一番驚くのはご本人かもしれませんね。私はそばにいて、できるだけ出てきてもらえるようにと促すのですが、そんなことは飛び越えて、当時のままの子供の自我が現れてきてくれたりします。
「自分は苦しくて仕方ないので、死んだふりをしていた!」と教えてくれた子もいます。クライアントさんの大人の部分が助けに来てくれたことを知って、喜んでくれることもあったりします。
インナーチャイルドがいない人は一人もいません。誰のマインドの中にも、しっかりと居残って、何等かの形で未来の自分へメッセージを与え続けているのです。
そのことに気づいたなら、決して放っておくなどということはできないでしょう。その子を救ってあげたくなるはずですから。
インナーチャイルドがそこそこ癒された暁には、瞑想も無理なくできるようになるはずです。そこからが、本当の癒しの始まりでもあるのです。