たくさんのネガティブな感情がある中で、明るい感情の一つとして笑いというのがありますね。笑うというのは動作ではあるのですが、その原動力はある種のエネルギーなのです。
笑うことは心身にとって、とてもいいものだということをよく聞きます。私自身も、何のわだかまりもなく、屈託なく笑うことができたときには、とても気分がいいものです。
笑いによって、否定的な気持ちや感情なども払しょくされてしまうことを、経験的に私たちはよく知っています。そんな素晴らしい笑いなのですが、メリットはあくまでも自然に笑う場合に限るのです。
意図的に笑うということになると、状況は急変してしまいます。まったく可笑しくないのに、笑うということを続けていると、正直な自分にとっては苦痛になっていくのです。
私たちは、笑いというものをスムーズな社会生活に役立てようとして、無理をしてしまうことが多いのです。いつもにこやかであったり、転げるように笑ってみたり…。
実は、そうした笑いというのは、自分を安心させようとする自己防衛の一つに過ぎないのです。対人関係の中で、すぐに笑顔になったり、笑ってしまう自覚があるのなら、要注意です。
本当に可笑しいとき以外は笑う必要などさらさらありません。笑うことによって、私は明るい人物です、私はあなたに否定的な気持ちを抱いてはいません。
そういうことを表現したいのですね。だから、防衛だというのです。人とのかかわりの中で、笑いたくなければ笑わないでいるというクセをつけることです。
笑うことで、大切な自分の正直な感情を抑圧してしまうということもあり得るのです。必要以上に笑わないという練習をしてみてください。
自分が如何に不要な笑いを使っていたかに気付くはずです。仏頂面でいろ!ということではありません。とりたて
て笑いによって明るく見せる必要もないということなのです。