分裂はマインドの特性

人間のマインドの最も優れた能力の一つに、自分自身を騙すというものがあります。他人を騙すのに特別な能力は必要ありません。ただ悪意があればいいのですから。

けれども、自分を騙すとなるとそれなりに高等テクニックが必要となるのです。なぜなら、自分自身のことは自分が一番よく知っているはずだからですね。

さて、どのようにして自分を騙すのかというと、マインドの中に分厚いパーティションのようなものを置いて、それぞれの空間同士が連絡を取れないようにするのです。

最も一般的なのは、マインドの表面意識の部分と潜在意識の部分が分厚いパーティションによって、明確に分け隔てられているのです。

そうすることで、都合の悪いものを潜在意識の中に投げ入れてしまえば、表面意識がそれを自覚することができなくなるので、いとも簡単に騙されてしまいます。

そして、もっと奥深くを見れば、潜在意識の中も互いに連絡をとれないような小さな小部屋のようなものに分けられてしまっているのです。

こうして、つまり分裂というテクニックを駆使することで、自分を騙すということを可能にしたのです。分裂していないマインドというものがないくらいに、まさに分裂はマインドの特性そのものと考えてもいいのです。

ではパーティションはどのようにして作り込むのでしょうか?実は、思考というのはそれ自体が分割のプロセスから成り立っているのです。

ひとたび思考を働かせれば、そこには必ず分割が起きてしまうのです。その分割を繰り返していくことで、強烈な分裂を生み出すことができ、それこそが分厚いパーティションの役目をするのです。

分裂を起こしてきた思考が落ちて初めて、全体性という真実が顕われてくるのですね。