欲望としあわせは裏腹

私たちの誰もが共通して持っているもの、それが欲望です。人は欲望を持っているために、しあわせにはなれないのです。なぜなら、欲望としあわせとは裏腹だからです。

欲望とは、今の自分のままに対して不満を感じているということです。もっとこうなりたい、より優れた誰かになりたいという満たされない思いが欲望を作り出すのです。

だから欲望がありつつしあわせであることは不可能なことなのです。欲望は闘いを生み出し、防衛を生み出し、それらはすべてエゴの餌となるのです。

欲望自体がエゴを生かし続ける原動力でもあるのです。欲望は未来をも生み出すのです。だから欲望は思考でもあるのです。

もしもしあわせを願うのなら、あらゆる欲望を落とすこと以外にありません。今はダメでもいつかは…という未来をも落とすことなのです。

私たちが生きれる場とは、常に今だけだからです。だから今この瞬間に不満があるのなら、決してしあわせと一つになることはできないということです。

欲望がなくなると、戦場だった人生がいきなり穏やかな安らぎの場に変わってしまいます。それは自然と過去と未来に広がる物語から抜け出すことでもあるのです。

今この瞬間に徹底的にくつろぐことができるなら、欲望は姿を消していくはずです。欲望とは、物語の中にしか存続することができないのですね。