クライアントさんへの問いかけとして、常々使っている言葉に次のようなものがあります。「あなたは、自分に自信がありますか?」というものです。
多くのクライアントさんは、「自信はない。」と答えるのですが、では、「自分の何に自信がないのですか?」とお聞きすると、困ってしまうのです。
実は、究極的には自分の「存在」に自信がないのですね。存在に自信がないというのでは分かりにくいために、一般的には後付けで、能力とか性格などに自信がないということにするのです。
存在とは、ただ自分のまま、あるがままのことです。その存在に自信がないのですから、自分のままではダメだという感覚を持っているということです。
それを無価値感などと呼びますが、つまり自分の存在価値に気付いていない状態のままでいるということです。存在価値に気付かぬうちは、安心することはほとんど不可能なことなのです。
ところで、自分の存在価値と言われると、何だか客観的な価値というものが、自分という存在にあたかも備わっているというイメージを持たれるかもしれませんね。
けれども、本当はそのような客観的価値などというものはありません。存在価値とは、敢えて表現すれば、自分の存在、自分のあるがままでいいという気付きのことなのです。
その気づき事態に価値があるということです。他人がどう評価しようが、自分自身がどんな自分であれ、それ自体にOKを出すことこそが、存在価値になるということです。
たとえ無価値感を持っていたとしても、それも含めてOKを出すことができるなら、それこそが真の存在価値になるということです。