優しく見守る

グルジェフが提唱していた自己想起とは、常に自分に意識を向けるということです。自分という存在に気づいているということ。

なぜこれがそんなに大切なことかと言うと、この方法だけが人生という物語から抜ける唯一のものだからです。自分をただ見ることによって、自分との間に距離が生まれるのです。

もしも自分に意識を向けずに生きているなら、自分との距離は常にゼロであって、それが自己同一化を継続することになってしまうのです。

一般的に、私たちは自分のインナーチャイルドの存在には気づいていません。なぜなら、今この肉体を持った自分だけが現実の自分だと信じて疑わないからです。

けれども、エネルギー的には、過去を丸ごと引きずって生きているので、目には見えずともインナーチャイルドの存在を内包しているのです。

もしもあなたが、インナーチャイルドに意識を向けることができるなら、そのときにはインナーチャイルドとの間に距離が生まれて、それに乗っ取られることがなくなるはずです。

それと同じようにして、現在の自分に意識を向けているならこの自分との同化が外れて、自分が生き場としている物語からも距離を取れるようになるのです。

そうなったら、自分の身に何が起ころうと物語を見ている側としての余裕ができるのです。人生に一喜一憂している自分を優しく見守ることができるようになるのです。

自分を優しく見守ることができるなら、他の誰のことも同じようにして優しく見守ることができるようになるでしょうね。

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