他人の意見に対する恐れ

私たちは、死の恐怖以外にも様々な恐怖を持っているものです。その中の一つに、他人の意見に対する恐れというものがあります。

それがどれだけ自分のことを傷つけるかということを、恐れているということです。人からどう言われるのか、どのように否定されてしまうのかを恐れるのです。

そして、その恐れが強ければ強いほど、逆に肯定されたり褒められたりすると、それだけ喜ぶことになるのです。なぜなら、それらの反応は逆向きではあるけれど、対をなす同じものだからです。

これがマインドの二元性なのです。好きであればあるほど、ひっくり返ったときの憎悪も大きくなることを思い出せば、理解できるはずです。

どうでもいい相手を嫌いになることはありません。好きになれるからこそ、嫌いになる可能性が生まれるということに気づけばいいのです。

巷にある人気ランキングなどで、ベスト10に入っている人が、同時にワースト10にもランクインしているケースがよくあるのは、周知の事実ですね。

ということは、人から肯定されても褒められても、殊更の反応をしないマインドの状態になっていると、他人の意見に対する恐れも小さくなってしまうということです。

元々、それらの恐れとは自己防衛からやってくるものなのです。幼いときには恐怖があるから自己防衛を始めたのですが、それが大人になるにつれて逆転してしまうのです。

恐怖から防衛するのは建前で、その実情は防衛すればするほど恐怖を引き寄せてしまうということなのです。日頃から自分が持っている恐れに気づいていると、こうしたことを深く理解できるようになるのですね。