あなたは目覚めなければならない。
目を覚ましているのは骨が折れる。
なぜなら数知れぬ夢が打ち砕かれるからだ。
しかも、これらの夢には、あなたのあらゆる喜び、いわゆる野心や成功のすべてがからんでいる。
まさにあなたの自我全体がからんでいる。
その自我がこなごなになる。
by osho
つくづく思い知らされますね。自我はずっと目覚めることなく夢の中にいて、あらゆる願望、欲望を実現するべく、その未来に期待して生きているのです。
それがなくなってしまったら、エゴは持ちこたえることができないのです。だから目覚めたくないと分かっているのですね。
未来がなくなってしまったら、究極の絶望を味わうことになるのですが、それが「死」を恐れる本当の理由だとも言えます。
死はどんな夢を見ていることもできなくさせられてしまうからです。覚醒する、目覚めるとは未来がなくなるということ。
未来が消えれば、それとくっついて離れることのできない過去も一緒に消えてしまうのです。だから、目覚めれば「今」という実在を見ることになるのですね。
気が遠くなるほどの長い期間、それこそ何千年も何万年も、私たちは目覚めずに夢の中を浮遊しているのですが、それでもまだまだ夢の中にいたいのでしょう。
私は個人的には、目覚めなければならないとは思わないのですが、夢が永遠に続くようにと願うのも、夢の中でだけのことで、どうしたっていずれは目覚めることになるのです。
目覚めた時にはもちろん、どんな長い夢であろうと一瞬にして消えていくこと変わりはないのですね。