30代の初め頃、私は日本の大手の企業から訳あって、外資系の会社に移って仕事をしていました。
ただのペーペーのエンジニアだった自分にとって、自分よりも歳下のある人物がその職場の長をやっていることに少しの驚きを持って見ていました。
彼はエンジニアではなかったのですが、きっと有能だったのでしょうね。彼の席が広いオフィスの角にあって、私の席からちょうど見える位置だったのです。
時々、気がつくと彼が何かを熱心に考えていて、立ったり座ったりを頻繁に繰り返している姿をよく見たのです。
きっとあれこれと戦略を練って、誰にどのタイミングでどのような企画を持って行けばいいのか、内面では忙しくそれをやっていたのでしょうね。
前振りが長くなりましたが、人は何かを考えたり、何かに対処しようとしているときには、ジッとしていることができなくなるのです。
居ても立っても居られないという状態になることもあるし、未来のことを想定してイライラしてきたりするわけです。
何かに立ち向かおう、何かを解決しなければ、何かを対処しようとするのは、自我の特徴なのです。そうすることで、常にマインドは未来へと向かわされるのです。
その逆に、その瞬間にとどまっていられるなら、未来へ向かうことは少なくなるのです。加えて防衛も小さくなり、人生のフレーバーが変化するでしょうね。