自我の本性を深く理解できると、自然に自分の本質は自我ではないということに気づくようになります。
それは自我にとっては非常に都合の悪いことですね。なぜなら、自我はそれ自体が実在しないということを隠しながら継続することを狙っているからです。
素性がバレてしまうと、一気に距離を置かれるようになることを知っているのです。それは自我にとってはとても危うい状態だと感じるのです。
自我が私たちを騙す手口はたくさんあるのですが、例えば幸せになりたいと願っているその裏で、苦悩や辛さをなくしたくないと画策していること。
希望を持って少しでもそれに近づこうと努力する姿を見せながら、その裏では何が実現しても満足しないことを隠し持っているのです。
自分を守ろうと必死になっているその裏で、たくさんの敵を雇って自分を攻撃させたりしているのです。
不安や恐怖、そして孤独から逃れようとあらゆる防衛を思いつき実践するのですが、本当は少しも変わらずに不安と恐怖と孤独の中にいるのです。
こうした自我のリアルな姿を知って、ほとんど呆れてしまうようになると、人は自我との同一化をやめたいと思い出すのです。
自分の人生を憂うのであれば、これが自分だと思っていたのは自我だったとはっきりと気付けばいいのです。
そして、自我を見つめながら生きることができるようになれば、人生そのものが大きく変化することになるでしょうね。