セラピストの仕事というのは、一口に言ってしまえば、クライアントさんの潜在意識を取り扱う仕事だということができます。
この潜在意識という馴染み深い呼び方ですが、正確に表現すると潜在していて自覚することができないマインドの部分、ということになります。
簡単に言えば、全く自覚できないマインドの部分ということですね。自分自身のマインドなのに、自分ではその存在すら認識できないという厄介なものです。
なんでそんなものができてしまうかというと、それは辛くて直視したくない感情や経験を都合よく隠してしまう地下室のようなものが欲しいからです。
だからこそ自覚できなくて当然なのですね。その地下室に押し込んで分からなくすることを抑圧と呼ぶわけです。
ではなぜそんな面倒な部分を相手に仕事をしなければならないかというと、その隠したマインドの部分が表面の自分を裏から強烈にコントロールしてくるからです。
あなたがどれほど理性的であろうと頑張っても、潜在意識が本気になったら赤子の手をひねるが如くに、いいようにやられてしまうのです。
絶対に遅刻したくないと思っても遅刻してしまう、もう決してお酒を飲まないと誓っても、お酒を飲んでしまう等々。
癒しが遅々として進まないのも、自分を癒したくないという潜在意識の方が力が強いからなのです。
自分を大切にしたいと願っても、潜在意識が自分の存在を低く見ていれば、ぞんざいな扱いをしてしまうことになるのです。
結局私たちの生きづらさというのは、ほとんどが潜在意識からやってくると言っても過言ではないのです。
だからこそ、そこを重点的に見ようとするのが心理療法なのです。もちろん覚醒してしまえば、潜在意識は消滅してしまいます。
覚醒せずとも、潜在意識を味方につけてしまえばいいのです。潜在意識に積極的に働きかけて、自分はあなたの味方だということを繰り返し伝えることができたら、何かが変化してくるはずですね。