内と外の関係性

誰の心にも必ず怒りがあります。どんなに心穏やかな人であっても、また本人が自覚できていようがいまいが、必ず怒りのない人はいません。

その怒りは時として、憎しみや妬み、嫉み、いわゆる憎悪と呼ばれるものに変化したりするものです。そうなると、なかなか心の中から拭い去ることが難しくなります。

なぜ怒りというものがあるかというと、それは人として自分の命を守らなければならないという本能によって起こるのです。だからこそ、怒りのない人はいないと言ったのです。

その怒りを感じるときの視点というのは、大抵が内側から外側に向かっているというのも事実です。つまり、外側で起こったことに意識が向けられているのです。

その場合、自分と外側で起きたこととは本質的には無関係であると信じています。それはまるで、自分がいてもいなくてもこの宇宙があると信じているのと同じようなものです。

その自分とは無関係な外側の何かが、自分の存在を脅かすとみなすので怒りを覚えて自分を防衛しようとするということです。

だから怒りというのは決して悪いものではなくて、逆に正当なものだということです。しかし、問題は正当であったとしても本人が幸せを感じることができないということです。

怒りを減らすには、努力ではなくてちょっとしたコツが必要なだけです。それは、自分と外側で起こることが無関係ではないとみなすことです。

逆に、自分の想いというものが今まで無関係に見えていた外側の事象を起こすことになるのだという理解をするのです。

この方法を自分のものにできると、次第に心が癒されてくるのです。なぜなら、自分の人生を外にいる誰のせいにもすることがなくなるからです。

自分の身に降りかかるとんでもないことでも、外側の何かのせいにすることができなくなるのです。そうなると、少しずつですが、怒りが収まってくると同時に感謝の気持ちすら出てくるかもしれません。

これは努力でできるものではなく、自然とそうなってきます。自分がやることはほんの少しだけ、ちょっとだけ、外側に起こることは自分の内側からやってくると見ることです。

すべての源泉は自分の内側にあるとみること。これが心穏やかに過ごすことができる唯一の方法だと言ってもいいと思いますね。

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