先延ばし症候群

約9年前にこの仕事を始めた頃、宣伝方法としてインターネット上にホームページを作ることを考えていたのですが、作り始めて最初の数行の文章を書いた時点でストップしてしまい、その後本気で作り出したのはそれから半年以上たってからでした。

ホームページを立ち上げないことには、誰もクライアントさんが来てくれないことは分かっていたのですが、とにかくホームページを作ることを心の中で中断したままでいたのです。

実際、作り出したら2週間程度で出来上がってしまったので、その時には何で今まで放っておいたのかなあと悔やまれました。

しかし、後で分かったことなのですが、ホームページの作成を先延ばしにしていた理由は、自分の書く文章はもっと出来がいいはずだとの偏見があって、でも実際に書き出してみるとそうでもないということが分かってしまったからなのです。

書かずにいることで、自分の文章を評価せずに済むという馬鹿げた理由によって、中断していたのです。こんなはずではないのに、という思い込みは一旦手放すことができたので、あっという間に仕上げることができたのです。

虫歯ができていることが分かっても、忙しさなどの理由を作って歯医者さんに行くことを先延ばしにしてしまうことも多々ありました。こんなのは単純に、歯の治療のことを考えると怖くて憂鬱になるため、歯痛がひどくならないうちはそのことを忘れようとしてしまうのです。

このように、自分がしなければならないことは分かっているのに、何か恐れを伴うようなことであるとそれを先延ばしにしようとしてしまうということですね。

試験前夜に早く勉強をすればいいものを、そういう時に限って普段読まないような本を読み出してみたり、部屋の模様替えをしたくなって何時間もかけてやってしまうなどということはよく聞く話しですね。

恐れというのは、向き合いたくないものです。だからそれ以外のことに目を向けようとしてしまうために、本当にすべきことが先送りされていくのです。

こういった、先延ばし症候群から脱するためには、頭であれこれ考える前に行動してしまうということが効果的です。思考を減らすだけで、恐れは小さくなってくれるからです。試してみてください。

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