保身という罠

今回の大震災やそれに伴う原発事故などが起きたことにより、政府や東電などの情報隠蔽が明らかになってしまいました。

それは残念ながら、今でも続いているわけですが、そうしたことが発生してしまう理由のほとんどが保身であると言って間違いありません。

原子力の平和利用という名目で国を挙げて進めてきたわけですが、その背後に潜む最大の原動力となるものは保身なわけです。

保身とは自分を守る、自己防衛のことです。人間である限り、自己防衛しようとすることは正当であり、当たり前のことなのですが、それはある面では不幸を生み出すのです。

保身とは、自分は助かりたい、それがひどくなると誰かを犠牲にしても自分だけは守りたいという方向に行ってしまう可能性もあります。

保身で一番多いのが、自分の間違いを素直に認めないというものです。電力会社にしても、国にしても、メディアにしても、そこにいる人たちが自分たちの間違いを認めようとしないことが、情報隠蔽がなくならない最大の理由なのではないかと思います。

なかなか難しいことなのですが、保身が人生の中心に据えられてしまっていると、心は決して満たされないということに気づくことが大切なのです。

それは、私たちは自分の中に隠し持っている愛を発動することでしか、満たされることがないからです。保身は、愛とは真逆の言動を起こすことになるのです。

したがって、「人の振り見て我が振り直せ」ということわざにもあるように、間違いを認めない人たちのことを否定する代わりに、自分にもそうした一面がないかどうかチェックすることです。

十分にそれができるなら、今の日本の現状を意味あるものにすることができるのです。素直に認めて謝ることは、簡単なようでなかなか難しいことですね。

必死に保身したいと思っている自分をまずしっかり見つめて、それを丸ごと受容してあげましょう。自分の中でそれができたら、人に対して保身することが少なくなるのです。

そしてその結果、とても気楽な人生になってくるはずです。保身にエネルギーを注ぎ込んでいた毎日から開放されることは、きっと晴れ晴れとした気持ちのいい心の状態になれると思います。

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