何も知らない

私たちは、自分のことをそれなりによく知っていると思っています。勿論、自分が生まれてから今までに経験したすべてを一番よく知っているのは自分以外にはいません。

でもどれだけ自分のことを分かっていると言えるでしょうか?自分のことを調べるとすると、自分の身体や自分の気持ち、自分の思考や自分の感情など、みんな「自分の○○」のような言い方になることが分かります。

自分の家や自分のクルマ、自分の成績や自分の考えなど、自分の体験や自分の記憶という具合にそれこそ無数に思いつくことができます。

ところが、どれもこれもが「自分の~」ということであって、肝心の自分自身についてをそのまま表現するものではないですね

「自分の○○」というのは、自分の属性であるとも言えます。しかし、属性についていくらリストアップしたところで、その自分そのものではないと分かります。

それでは、自分そのものをどうやって表現すればいいのでしょうか。みなさんも少し、時間を使って自分そのものについて思いを巡らせてみて欲しいのです。

そうすると、残念なことに自分そのものを表現することはおろか、それを知らないということに気づいてしまいます。

知らないからこそ、表現することもできなかったというわけです。これはある意味とてもショックなことだと思いませんか。

私はこのことに気づいたときに愕然としました。そして、自分のことも知らないのだから、当然のことながら自分以外の人やモノについてはもっと知らないということが分かります。

自分は自分のことも含めて、この世界にあるどんな対象についても本当は何も知らないのだということです。知っているのは、それらの属性についてだけだったのです。

つづく

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