私とは誰か?

私とは時間の中で生きている人まとまりの存在。私とは広大な宇宙空間の中に、ほんの一握りにも満たない自分だけの空間をその身体として占有しているもの。

私とは固有の外観を持っている。私とは、様々な記憶を基に形作られている心を持っている。記憶とは、過去の体験から得られた情報の束である。

その体験とは、それまでの私が行為した結果である。私の行為とは、能動的なものと受動的なものがあり、また意識的なものと無意識的なものとが混在している。

私とは、その他の人から個人だと識別される一人の存在であり、それは人物としてのカテゴリーに入る。

行為者としての私をコントロールしているのは、私の心であり、その心で固有の思考や感情、その他あらゆる想念を作り出す。

したがって、私とは身体だとも言えるし、心だとも言える。そして、それらを使って常に何らかの行為者として生きている。

私は、自分の身は自分で守らなければならない。そのために、必要なものを手にいれれば安心し、奪われれば苦悩する。言い換えれば、欲望と恐怖の中で生きている。快楽への欲望と、苦悩への恐怖である。

私は、こうしたことをすべて真実に違いないと頑なに信じているのだ。そして、手に入れたものはすべて私と同一化され、私が強化されたと錯覚する。それは財産や知識、その他あらゆるものに対して。

このような、私に対する大きな欺きに気づかなければならない。しかし、これを言っている私自身も騙された本人であり、これを解決するのは、深く洗脳された人が自分自身でその洗脳をはずしていくことと同じように難しいこと。

だからこそ、何か目には見えない大きな力が必要なのだろうと思う。