私が子供の頃というのは、ご近所付き合いというのがごく普通にあったのですが、大人になってからは、互いに顔を知っている程度のことが多いようです。
集合住宅になると、さらに疎遠になって、お隣さん同士であってもほとんど顔を会わせることもないのが普通です。
実際、セッションルームの同じ階の人で、顔を知っている人は数人しかいません。それで別に不都合なことがあるわけでもないので、親しくなる機会もないままなのですね。
けれども、子供の頃のご近所付き合いのことを思い出してみると、本当にお隣さんと仲がよかったかというと、そうでもない印象が残っています。
困ったときに、助け合うことがなかったわけでもないですが、私の率直な印象では仲良しというよりも、本当のところは、あまり仲はよくなかったとも言えます。
表面的な付き合いをしているうちはいいのですが、何か事が起こったときには本当に仲がいいのか悪いのかが、如実に現れてしまうものですね。
それは、国同士についても当てはまるようです。日本は島国ですが、それでも隣国といえば韓国や中国、あるいはロシアなどが挙げられます。
日本がそうした国々と仲良しだなどと思っている人は、誰もいないでしょう。距離が近いということは、それだけ領土問題やその他において利害が直接係わってくるからです。
韓国の大統領が日本の竹島に不法侵入したというニュースを聞いて、うわべだけ仲良くしていくことさえ、この先難しくなったなと感じます。
隣国同士なのだから、もっと腹を割ってお互いに話し合い、大人として、争うばかりではなく仲良くすればいいのにと思わないでもありません。
しかし、自分の家の庭の隅に、隣人が勝手に小さな犬小屋を建てて、そこに隣人の犬を住まわすことになったとしたら、なかなか仲良くできるものではありませんね。
争いを避けるために、すべてを無難に、丸く治めようとすることは決して得策ではありません。かえって、深い怨恨を残すことにもなるのです。
これは、国同士であろうが人間同士であろうが同じことです。争いを避けるためには、問題から逃げずに正面から向き合うことがどうしても必要です。
日本の政府が毅然とした態度をとる、と口で言っているだけでは、争いを避けることになるどころが、問題をより深刻化してしまうことになると思います。
都合の悪いことから目を背けずにいるということ、事なかれ主義に陥らないようにすることが大切だと思うのです。