所有が人を苦しめる

人が普通に持っている欲望の中で、ごく一般的なものの一つとして所有欲というのがありますね。今日はその所有について書いてみます。

単刀直入に言えば、所有とは実在するものではまったくなく、ただ私たちのマインド(思考)によって作られた概念、観念、つまり幻想なのです。

所有は確かに、この社会ではとても便利に機能する概念なのですが、それがただの概念であることを忘れてしまっているところに問題があるのです。

そんなことはない、自分はマイホームもマイカーも持っているし、お金だって人並み以上に所有していると言う人もいるでしょうね。

ただし、それでも所有は幻想だということ。たとえば、あなたが死ぬまでずっと独り無人島で暮らすとします。その生活の中で、何かを所有するということがあり得るでしょうか?

木の実をどれだけ取れたとしても、海に潜って魚を仕留めたとしても、それをわざわざ自分のものだと宣言する必要もありませんね。

つまり所有とは、自分と他人との間での取り決めなのです。これは私の所有物、あれはあなたの所有物と言う具合に、いわゆる仕分けをしているに過ぎません。

単なるルールです。あなたがこれは私の家だと主張するとき、他人がその通りだと認めることによってのみ、それがあなたの所有物だとなるだけなのです。

それがなければ、所有にはどんな意味も見出すことができないはず。結局、所有とは思考の中の単なる決め事以外の何ものでもないということ。

本質的には所有とは存在しないということです。それなのに、私たちは自分の所有物をできるだけ増やそうと日夜努力しているのです。

そして、人よりも所有できずにいると、それが自分を傷つけることになるのです。実際、あなたがどんなものを所有できたとしても、あなたが真に満たされることは決してないのです。

なぜなら所有にはどんな実体もないからです。このことを何度も深く理解することができるなら、所有への渇望は次第に影を潜めていくはず。

所有に興味がなくなれば、私たちの苦悩の多くが消えてしまうでしょうね!

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