私たちのマインドというのは、何かの問題を解決したい、あるいは回答を見い出したいという傾向を色濃く持っているということができます。
たとえば、身近なところでいうと、クロスワードパズルというのがありますが、あの空欄を全部埋めることができると、とてもいい気持ちになれるのです。
仕事をテキパキとこなしていく社会人は生き生きとしていて、とても好感を持つことができますね。何かがうまく処理されたら、マインドは快感を味わえるのです。
だからこそ、これで終わりというわけにはいかないのです。何かが解決されたら、すかさず次なる問題が起きるように仕向けるわけです。
つまり、こうしたマインドの特質が在り続けるなら、どうしても問題が必要不可欠だということです。場合によっては、その問題が人を苦しめることになったとしても…。
もしも本当に問題から解放されたいと願うなら、こうした問題-解決のループをどこかで破らなければなりません。そのためには、問題をそのままにしておくということ。
何とかして対処しようとする内面の努力から手を引いて、その問題を宙ぶらりんの状態のままにしておくのです。それには、勇気が必要かもしれません。
解決したときの、慣れ親しんだ気持ちよさや安心を得ようとすることをただ見守ることで、その問題に対して内面的なエネルギーを与えずにいるということです。
そうすると、解決しようとするマインドに餌を与えずにいることができるため、次第にマインドは力を失っていくことになるのです。それが結局は、新たな問題を生み出す力を小さくすることに繋がるのです。
このアートを身につけることは、常に瞑想状態にあることと同じなのですね。