今この瞬間にすべてが在る

毎日を忙しく過ごしている人は、きっといつもこう思っているのではないでしょうか?さっさとこれを終えて、次のことに取り掛からないとな、と。

そして次のことが終われば、またすぐにその次に控えていることに取り掛かるわけです。それがずっと続いているのが人生なのですね。

それでもときに、今すぐにやらねばならないことが特にないという状態がくると、何だか急にぽっかりと空きができたようで、手持無沙汰になったりするのです。

そうやって、「何もせずにいる」というただただ当り前のことが、何だか違和感があっていたたまれなくなってしまうのです。落ち着いてこの状態を見れば、すぐに変だと気づくはずです。

私たちは、今この瞬間に在ることを非常に恐れているとも言えるのかもしれません。本当は、今この瞬間の中に、あらゆるすべてが在るのです。

それなのに、私たちのマインドは思考を使って今この瞬間だけを見ずにいるのです。過去や未来へと想いを飛ばして、幻想の広がりの中で夢を見ることが好きなのです。

一日のうちのほんの少しの時間だけでいいので、何もせずにいる瞬間を意識的に作ってみるといいと思います。自分を取り囲んでいる今という瞬間は、この世界のほんの一部に過ぎないと思っていたことが間違いだと気づくかもしれません。

思考さえ落ちてくれたら、今この瞬間がすべてだと理解することができるのです。それは時間の流れの奥深くに広がる無限を垣間見せてくれるのです。

でも、ほんの少しでも思考が動き出すと、何でこんなことやってるんだろうがやってきて、すぐに普段の物語の中へと没入していってしまうのです。

物語が悪いのではなく、物語の当事者になってしまうことで、人間に固有の苦悩がやってくるということです。今この瞬間には、どんな物語も入りこむ余地はありません。

そしてそこにはすべてが在るのですから、これ以外に満たされる方法はないのでしょうね。