「でも」星人現わる

この仕事を初めてすぐの頃ですから、もう15年以上前のことになりますが、あるクライアントさんとお話しをしているときに、その方がすぐに「でも…」から話しを始めるのです。

最初は特別何とも感じていなかったのですが、あるときにふとその毎回出てくる「でも…」が気になりだしたのです。

その方にとっては、私の話す内容が気に入らなかったのだろうことは分かるのですが、その後も何度となくセッションにいらっしゃるのです。

もしも本当に気に入らなければ、もう二度といらっしゃらないはずなのに。今よりももっと未熟だった私は次第に腹が立つようになってきました。

何を言っても、「でも」で返されてしまうからです。自分が言ったことがすべて否定されてしまう感じがして、苛立ちを覚えたのです。

「でも」という言葉は日常的に誰もが使ってる便利なものですので、それ自体には何の問題もないのですが、頻発するとなるとそこには何かがありそうです。

実はその人なりの自己防衛の方法だったのです。その人にとっては、相手に対して共感したり肯定的な返事をしてしまうと、きっと負けて惨めな気持ちになってしまうのかもしれません。

もしかしたら、幼いときに親から「でも」を連発されて悔しい気持ちを感じていたのかもしれません。そういう意味では、相手を変えて仕返しをしているという捉え方もできます。

それがはっきり理解できたときから、「でも」を連発されても一切苛立つことがなくなりました。みなさんは、「でも」を使っているまさにそのときに気づいていますか?

そこに防衛の要素が入っていないか、ご自身の発言を注意深く見守ることで気づくことができるようになるはずです。

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