わだかまりを残さない生き方

幼い頃の記憶なので、どれだけ正確なものかは分からないのですが、母親とケンカをした日は、夜寝る前に仲直りをするという習慣がありました。

まだ無邪気だったからできたのでしょうけれど、そういうことが続くと、ケンカをしている最中でも、どうせ寝る前に仲直りするからいいや…、と思ったのを覚えています。

何が起きても、その日を終える時には気持ちの中にわだかまりが残らない状態にすることができていたということです。素直に「ごめんなさい」を言うことで。

今思い返してみると、随分と無防備で可愛らしい子供だったと感じるのですが、当然それも長くは続きません。

相手に伝わらなくても、とにかくそんなことはお構い無しに自己表現していたのが、次第に言っても無駄だという勝手な思い込みとともに、仲直りをしなくなったのです。

謝ることを躊躇する心が芽生えるのですね。きっとそれも自己防衛の1つなのですが。

人間というのはそうやって、心の中にいろいろなわだかまりを残していくのですね。それを日々重ねていくことで、いつかは何かの形となって表出するのです。

正直な自己表現と合わせて、「ごめんなさい」と「ありがとう」を表現することが、シンプルではあるのですが、わだかまりを残さない生き方のベースなのでしょうね。