理由なくやってくるもの

それほど多くはないのですが、時々何ということもないのにふといい人生だなと感じることがあります。

何か特別いいことがあったとか、そんな分かりやすい理由など一つもないのに、ただ何となくじんわりとふわっとした感覚のようなものが来るのです。

思い返したら、朝から何かと邪魔されたなあとか、色々不都合なことにも遭遇してはいるのですが、そんなことも気にならない瞬間。

理由なくやってくるものって本当にありがたいのです。ところが残念なこともあって、それは自我の自分にはコントロールできない点です。

分かりやすく理由があれば、◯◯のおかげで今日はハッピーだと言って喜べるし、それを明示的に起こすように努力すればいいわけですね。

けれども、理由なくやってくるものは、いくらそれを欲したところでそれを呼ぶ具体的な方法などないのです。

ただ間接的な方法だったら一つだけあるかもしれません。それは、人生物語から距離を取るように練習することです。

距離ができればそれを見る立場になれるのです。人生を生きる側から見る側になることで、人は優しくもなれるのです。

悪い人生を良い人生に変えるということではなく、どんな人生であろうとそれを優しい目で観ている自分ができてくるという感じです。

それがうまくできている瞬間は、どんな理由もなくふとあの優しい感覚で人生を見ることができるのでしょうね。