頭の良い人というのは、私のような凡人では解くことのできないような難問でもスラスラ解いてしまいます。
もう少し簡単な問題だったら自分でも解けるはずなのですが、かといってあまりにも簡単過ぎると今度は面食らってしまい、やっぱり分からない。
簡単過ぎるのは実は思考にとっては不向きなのです。シンプル過ぎると思考がそれを取り扱えなくなってしまうからです。
これは思考の宿命でもあるのです。思考の働きというのは、ターゲットとなるものをあるがままにしておくことができないのです。
それをこねくり回して、美しいだの汚いだの、好きだの嫌いだの、その他あらゆる調理をした後で見ることになるのです。
そしてそうしたプロセスを一瞬にしてこなしてしまうので、私たちはそれだけ多くのことを思考がやらかしていることに気づかないのです。
思考がそのプロセスを放棄してしまうような事態、例えばビックリし過ぎるとか、シンプル過ぎるものを見せられるなどが起きると、思考は停止してしまうのです。
その時には、本人の意思とは無関係に思考が落ちて、強制的に瞑想状態になるということです。
瞑想するときに目をつぶるのは、視覚を遮断することでそういう効果を利用しているのですね。
思考の特徴について色々知ってみると、瞑想に入りやすくするための工夫ができるようになると思います。
たとえば、目を開いているのに何も見ない、どこにもピントを合わせない、眼球を固定するなども試してみるといいですね。